オクシモ論

新矢の雑記。

帰国子女のトラウマ1『現地の人からの罵倒』編

もしかしたら同じような経験をした人もいるかもしれないのでそんな方々に共感してもらうとともに、帰国子女だって楽なことばかりじゃないぞ!っていうのをアピールしたくて書きました。帰国子女の3つのトラウマを紹介していきます!

一つ目は「現地の人からの罵倒」

私は香港と南アフリカに合計9年間住んでいた。物心ついた時にはすでに香港にいて、当たり前のように現地の幼稚園に通っていた。両親は両方とも日本人だから家で使われるのは当然日本語。でも、一歩外に出ると、英語か中国語が飛び交う。

幼稚園の先生は英語か中国語を話す。両親が頑張って英語を家で教えてくれたから、英語は辛うじて理解できたけど中国語まで習得するのは無理だった。大体の先生は、優しくて私が中国語が理解できていないと察すると英語で丁寧に話してくれたけど、一人だけ中国語を貫いてくる先生がいた。でもいつも現地の友達とか先生たちが助けてくれたのでなんとか切り抜けていた。

しかし、お昼の時間に事件は起きた。普通の日本の小学校と同じように私の幼稚園は給食システムで、先生がご飯をよそってくれる仕組みだったのだが、ある日それが例の中国語を突き通してくる先生が当番になっていた。ご飯を受け取るために自分の番を待っていると、絶対私の前の人の番までは無言だったのに、私の番だけやたらと中国語で話しかけてきた。もちろん何を言っているかわからなかったので、ぼーっとしていると、ありえないくらい大量にご飯がよそわれたランチセットを渡された。わけがわからなかった。

でも、当時からそんなに威勢がいいタイプではなかったので、特に何も言わずに席にランチを持ち帰った。大体の日本の小学校と同様に、食べきるまで休み時間にしてはいけませんというシステムだった。だから私は延々と食べ続けた。

でも、幼稚園生の胃の容量なんてたかが知れてる。半分食べ終わったくらいで限界がきてしまった。もう周りの子達は遊んでいる。でも食べ終わることはどう頑張ってもできない。途方にくれていると、さっきの中国語の先生が来て、ガーガー中国語でなんか怒鳴られた。怒られていることは理解したけど、何言ってるのか全くわからなくて、ただただ怖かった。

きっと早く食え!的なことを言っているのだろうと思ったから、恐怖で泣きながら目の前のご飯を口にかき込んだ。でもうまく飲み込めなくてもともと胃の中にあったものを含めて全部吐き出してしまった。その時に先生は初めて英語を喋った。

"Shame on you!"(みっともない、恥ずかしい!)

たった3単語だったけど、それまでの人生で(といってもせいぜい7歳くらいだけど)1番心が抉られた言葉だった。実際は英語を話せるのに、私には英語で話してくれなかったっていう事実にも結構ダメージを受けた。

これを見ていた他の優しい先生が配慮してくれたのか、それ以来その中国語の先生と接触することはほぼなかった。だが、未だにあの怒鳴り声は脳裏に残っているし、山盛りのご飯を出されるとなんとなく嫌な感情を抱いてしまう。

 

今になって思うと「香港に住むんだったら中国語くらい話せるようになっておけ」ということだったのかもしれない。もちろんこれは尤もだ。少なくとも、その国の言葉を学ぼうとする姿勢を見せることが、その国に対する最低限の敬意だと思う。

でもそれにしてもやり方というものがある。あの先生はただの意地悪な人だったと思っている。私が中国語が理解できないのをわかっていて、それでわざわざ私をいじめようとしたのだと思う。周囲の人たちが皆優しく、大事に育てられてきたのもあって、あの件では結構なダメージを食らった。でもそれで私は絶対にあの意地悪な人にみたいにはならないと誓った。

 

これはきっと香港だけに限ったことではないし、日本でもそのようなことをする人たちもきっといる。

大体の人は、相手がどこの国の人だろうとあたたかく受け入れてくれるけど、中には結構ひどいことをする人もいる。身を以てそれを実感した。

 

次の記事に続きます。